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関連資料

アナウンスメント

若手研究者紹介4

〜ポリマー光ファイバ中のブリルアン散乱の特性解明とセンシング応用〜
精密工学研究所
水野 洋輔


 長い光ファイバに沿った任意の位置で歪(ひずみ:伸びのこと)や温度を測定できる光ファイバセンサを「分布型光ファイバセンサ」と呼ぶ。これを飛行機の翼やビルの内壁、ダムや橋梁など、多様化する構造物に埋め込むことで、それらのヘルスモニタリング、すなわち、地震による損傷や経年劣化などを監視することができる。そのため、分布型光ファイバセンサは、安心・安全のため、世界中で精力的に研究がなされている。

 分布型光ファイバセンサを構築する際、従来は専らガラスファイバが用いられてきた。しかし、ガラスファイバは数%という小さい歪で切断されてしまうため、扱いに注意を要するとともに、それ以上の大きな歪を測定することはできなかった。そこで本研究では、このようなガラスファイバの問題点を解決するために、50%以上の歪にも耐えられるほど柔軟性の高いプラスチック光ファイバ (POF) を用いて分布型光ファイバセンサを構築することを目的とする。

 POFを用いて分布型光ファイバセンサを構築することで、取り扱いが簡単になり、対応可能な歪が大幅に拡大するのはもちろんのこと、最大の利点かつ独創的である点は、センサに対して「記憶」という新たな機能を付与できることにある。この機能は、POFが大きな歪に対して塑性変形を起こし、歪の大きさと印加された位置をPOF自身が記憶する性質を指す。この性質を用いれば、ガラスファイバの場合のように常に高価な解析装置を設置しておかなくても、「構造物にはPOFだけを埋め込んでおき、地震の後など、1つの解析装置を持って多数の構造物を巡回検診すればよい」という全く新しいコンセプトが生まれる。社会全体で考えれば、光ファイバセンサ技術のコストが大幅に削減され、大規模建造物に限られていたファイバセンサ技術の対象を一般個人住宅等まで拡大でき、例えば地震後の住民の避難所生活の短縮などに貢献できるものと期待している。



概略図: こちら

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