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アナウンスメント

若手研究者紹介5

〜空気圧駆動手術支援ロボットシステム〜
精密工学研究所 高機能システム部門
只野 耕太郎


 近年,daVinciに代表されるような手術支援ロボットの開発が盛んに行われている.筆者らは空気圧駆動を利用して力覚フィードバックを実現した独創性の高い腹腔鏡手術支援ロボットの開発を行ってきた.本研究では,力センサを用いずに外力推定可能な鉗子マニピュレータの開発および術者への力覚提示機能を有するマスタスレーブシステムの構築を目的として,空気圧アクチュエータを用いた鉗子マニピュレータを提案し,その有効性を確認している.空気圧アクチュエータのバックドライバビリティを活かすことで力センサを用いずに外力検出できることを特徴としており,東京医科歯科大学をはじめとする外科医の協力の下in-vivo実験を通じて試作改良を重ねながら実用化を目指している.最近では切削スプリングを用いた柔軟な関節構造による小型,高性能化やハンド型エンドエフェクタ,内視鏡操作システムなどの派生研究へと発展している.

 なかでも内視鏡操作システムは,上記で開発してきた空気圧駆動ロボットアームに内視鏡を把持させ,ジャイロスコープにより計測された術者頭部の運動に連動させるシステムであるが,地方病院における外科医の不足問題や手振れのない安定な視野の提供などに貢献できることから臨床現場からの期待も大きく,現在力を入れているテーマである.本システムは,その直感的で滑らかな操作性が外科医から高く評価され,幾度のin-vivo実験を経て,薬事申請が受理され臨床試験を実施するまでに至った.

 以上関連の研究課題は文科省大学発新産業創出拠点プロジェクトに採用されており,大学発ベンチャー企業立ち上げによる市場化を前提に開発を進めている.

 一方で,手術支援ロボットシステムに限らず,人間機械システム分野一般の研究として,遠隔操作システムの制御パラメータ設計に関する研究や,視覚情報から力覚を錯覚させる疑似力覚を利用したマンマシンインターフェースの研究なども行っている.前者では,力覚提示機能を有する遠隔操作システムにおける制御系のパラメータに対する操作性や操作者の主観的な感覚との関連性を調べ,操作者の要求に応じた操作性を提供できるようなパラメータ設計方法の構築を目指している.疑似力覚に関する研究では,人間の知覚メカニズムの探求を通じて,視覚情報からアクチュエータを用いずに力を知覚させる方法や,力覚感度の低下を補う力覚提示方法などの研究も行っている.これらは,手術支援ロボットシステムを含む様々な遠隔操作システムやバーチャルリアリティへの応用を目指して研究を進めている.




図:


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