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若手研究者紹介9

一般モノドロミー保存変形のハミルトン力学的描像の確立
大学院理工学研究科数学専攻 助教
山川 大亮


  数学において古くから知られている微分方程式のクラスとして,モノドロミー保存変形方程式(IMD 方程式)と呼ばれるものがあります.100 年以上前にフランス人数学者のパンルヴェが純粋に数学的な興味からこのクラスの微分方程式の一部(パンルヴェ方程式)を発見したのですが,その後,物理学の分野(共形場理論)でこれらが再発見され,以来活発に研究されています.
  IMD 方程式に関する現在特にホットな話題の一つは,物理学におけるゲージ理論とIMD 方程式の関係です.最近の研究により,ゲージ理論において重要なインスタントン分配関数と呼ばれるものが,ある微分方程式の解であり,その方程式はIMD 方程式の「量子化」(量子IMD 方程式)と見做せる事が分かってきました.
  しかし現在のところ,特別なクラスに属するIMD 方程式に対してしかその量子化は定義されていません.本研究における目標は,量子IMD 方程式の定義をより広いクラスに拡張する事です.
  さて,最も基本的な微分方程式の量子化は正準量子化と呼ばれ,次のような段階を踏んで行われます:

  (i) 微分方程式をハミルトンの正準方程式として記述する― 例えば変数の数が最も少ない場合,正準方程式とは次のような形の微分方程式です:

図

   (ii) 変数p,q を交換関係QP - PQ = 1 を満たす非可換な変数P,Q で置き換える.

  IMD 方程式にこの手法を適用しようとする場合,まず問題になるのは,IMD 方程式の解が動く空間が抽象的に定義されており,その座標にあたるp, q, t が最初から与えられているわけではない事です.どのように取るかによって,それらの関数であるH は変わってしまいます.p, q, t として変な選び方をすると,H がそもそも存在しないか,存在してもそれを具体的に記述する事が困難になります.
  そこで現在,IMD 方程式の正準方程式としての記述として量子化になるべく適したものを見出す事を当面の目標として研究を行っています.



概略図: こちら

譚ア莠ャ蟾・讌ュ螟ァ蟄ヲ