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アナウンスメント

若手研究者紹介10

「環境負荷低減した大規模木造建築を実現する
平面異種混構造の耐震設計法の開発」
応用セラミックス研究所 建築物理研究センター 助教 
山崎 義弘


■なぜ今、木造建築か
地球環境問題の一つであるCO2増加の有効な解決策として、森林による炭素固定化がある。我が国は国土の7割が森林であるにも関わらず、それが有効利用されていないため、国内の木材需要を高めることが重要と考えられる。2010年に公共建築物等木材利用促進法が制定されたことで、住宅のような小規模建築だけでなく、学校や商業施設などの中大規模建築も木造で建設することが社会的に求められており、建築業界では木造化がブームになりつつある(図1)。

図1:木材利用による炭素循環のイメージ
図1:木材利用による炭素循環のイメージ


■平面異種混構造とは
大規模建築を木造で実現しようとすると、耐火性・居住性・構造計画の面で、建物の一部にコアを設けた平面異種混構造が有効である。しかし、2012年に大規模木質構造を一般の構造設計者でも設計できるようにした設計指南書が発行されたが、そこでは平面異種混構造が対象外とされている(図2)。

図2:設計指南書が対象とする構造

図2:設計指南書が対象とする構造


■現状の課題
@ 現行の一般的な耐震設計法の適用が困難
 平面異種混構造では木造部分とコア部分が全く異なる振動特性を有しているため、現行の耐震設計で考慮するような理想的な構造モデルに置換できない。図3に示す点が主な課題であり、従来構造の設計式をそのまま適用すると、より詳細な解析から求まる応力を過小評価してしまうことが指摘されている。
A 高度な技術、判断を要する詳細設計法が必要
 @で述べた理由から、高度な詳細解析に基づく設計法に頼らざるを得ないのが現状である。詳細設計法では、建物の振動解析モデルを作製し、地震波を与えて数値解析を行うことで、建物の安全性を検討する。この方法は労力を要するため、平面異種混構造の一般化の障壁となってしまう。

図3:現行の耐震設計では評価が難しい点
図3:現行の耐震設計では評価が難しい点


■研究方法
 本研究では、これまでほとんど研究実績のない大規模木造建築を対象とするため、実験により部材レベルでの性能、建物レベルでの振動特性などを調べる(図4)。一般流通材を用いて試験体を製作するが、本研究の趣旨は大規模木造建築を耐震的に建設することであり、既存の工法にこだわらず、新工法の開発も視野に入れる。

図4:研究のアプローチ
図4:研究のアプローチ


■本研究で目指す将来像は
平面異種混構造を従来の構造と同様な手順、同程度の労力で設計できるようにすることを目標とする。つまり、従来の許容応力度計算のような手計算レベルの汎用設計法を目指すことで、これまで木造に関わったことのない設計者の新規参入を促し、「都市の木造化」を積極的に推進する。




概略図: こちら

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