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アナウンスメント

「挑戦的研究賞」の受賞者紹介1

「下部マントルの音速測定から探る地球深部の化学組成」
理工学研究科 地球惑星科学専攻 講師
太田健二


人類は地球のマントル上部に相当する深さ約400 kmに存在する岩石までしか直接手に入れることが出来ないにも関わらず、地球中心6400 kmの深さにかけて地球内部が地殻・マントル・コアという層構造をなしていることを知っています。そのような地球内部の情報は震源で発生後に地球内部を伝播する地震波を観測することで精度よく得られます。観測される地球内部の地震波速度構造をもっともよく説明する物質を探す研究は1950年代から行われており、そこから地球深部の化学組成を明らかにしようという試みがなされています。しかし、マントルやコアといった地球深部に相当する超高温超高圧力の条件下で物質の弾性波速度を実験的に調べることは困難であるために地球のマントル深部やコアが実際にはどのような化学組成なのかはまだ良くわかっていません。深さ660?2900 kmに存在する下部マントルは地球の体積の約7割を占める広大な領域です。下部マントルの化学組成を明らかにすることで、地球がどのような物質から出来ていて、どのような進化を遂げてきたのかをより詳しく知ることが出来ると期待されます。

 本年度の挑戦的研究賞に選んで頂いた本研究課題では地球の下部マントル条件下(23万気圧、2000℃?135万気圧、2800℃)での鉱物の音速測定技術を新たに開発し、鉱物の音速を広い温度、圧力、組成範囲で測定することを目指しています。高温高圧の発生にはレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセルという装置を用います。その高圧装置内の極微小な試料にフェムト秒のパルス幅のレーザーを照射し音波を発生させ、試料内での伝播時間を計測することで高温高圧鉱物の音速を測定します。得られた実験データと地震波観測による下部マントル地震波速度構造とを比較することで地球の下部マントルの化学組成を明らかにすることを目的としています。私の研究室では高温高圧発生技術にフェムト秒レーザーや集束イオンビーム加工装置などの計測技術の時間・空間分解能を高める新技術を取り入れて、これまで誰も成し遂げたことがない地球内部物質の物性測定手法の開発を進めています。


図

概略図

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