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アナウンスメント

「挑戦的研究賞」の受賞者紹介3

「電気化学トランジスタによる超伝導デバイスの実現」
理工学研究科応用化学専攻 助教
吉松 公平


超伝導は夢の技術と考えられがちであるが、実際には様々な用途に応用がなされている。MRIでは超伝導電磁石を用いた高磁場により高解像度の画像が得られ、医療分野に多大な貢献をもたらしている。またつい最近、超伝導リニアが正式に認可され、超伝導技術が輸送分野にも応用されつつある。一方で、エレクトロニクスの分野においては、超伝導応用は限定的である。電気抵抗がゼロの超伝導は、電流を流した際にエネルギー消失が起こらず、究極の省エネである。超伝導の電子デバイスへの応用は、古くから検討されているものの実現へのハードルは高い。その最大の原因は、超伝導状態がキャリヤに対して鈍感であり、転移に多量のキャリヤを必要とするためである。従って、超伝導デバイスの実現には、従来の電界効果を凌駕する新たなキャリヤ制御手法が必要である。

 そこで本研究では、電気化学をキャリヤの制御手法に用い、超伝導デバイスの実現を目指す。超伝導体として、Liイオンを含む酸化物のLiTi2O4対象とする。この物質はLi組成がおよそ0〜2までの広範囲で不定比化合物を形成し、Li組成が1前後でのみ超伝導を示す。そこで、Liイオン電池の充電・放電現象を応用し、LiTi2O4にLiイオンを挿入(充電)することで物質中のLi組成を増加(Li1+xTi2O4)させ、超伝導から常伝導へと転移させる。逆に、常伝導のLi1+xTi2O4からLiイオンを脱離(放電)させることで、超伝導状態に戻す。この酸化還元反応に伴いイオンは物質全体へと拡散するため、大量のキャリヤ誘起が可能となる。

 以上のように、酸化物超伝導体を用い、Liイオン電気化学により超伝導-常伝導転移を発現し、超伝導デバイスを実証する。



図


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