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アナウンスメント

「挑戦的研究賞」の受賞者紹介4

「人工U1snRNAを用いた革新的遺伝子治療の開発」
大学院生命理工学研究科 分子生命科学専攻攻 准教授
大窪 章寛


我々の細胞中では、タンパク質の設計図となるDNAからRNAが作られ(転写過程)、このRNAをもとにタンパク質が生合成(翻訳過程)されます。転写後すぐのRNAには、翻訳に必要な部分(エキソン)と不必要な部分(イントロン)が存在し、翻訳前にイントロンを取り除く生体反応(スプライシング)が必須となります。

 このスプライシングでは、エキソンとイントロンのつなぎめの配列(スプライスサイト)を核内低分子RNA(UsnRNA)が認識するのですが、このスプライスサイトに変異が入ってしまうとこれらUsnRNAが結合できなくなり、スプライシング異常が起こるため疾患につながってしまいます。例えば、U1 snRNAが結合する5'-スプライスサイトへの変異による疾患としては、一部の筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症、嚢胞性線維症、血友病などが挙げられます。U1snRNAは5'側のわずか8塩基のみでpre-mRNAを認識しており、図にあるように多少の多様性をもっていますが、この位置に変異がおきU1 snRNAとの結合が弱くなってしまうと、その位置でのスプライシングが起きなくなってしまいます。

 現在までに、遺伝子工学的な手法を用いてスプライスサイトの変異に合わせた変異snRNAを細胞内で作らせると、スプライシング異常が解消され、正常なRNAが生成される事が報告されています。この知見は人工U1 snRNAが新たな作用機序をもつ核酸医薬候補であることを示唆しています。  そこで我々は、これまでに開発してきた革新的RNA合成技術を駆使して、人工U1 snRNAの高効率な合成法の開発とその薬理活性評価を世界に先駆けて行っております。また、我々は国内外の研究者と本テーマにおいて様々な共同研究を行っておりますので、ご関心をお持ちの方は下記までご連絡頂けますと幸いです。

<連絡先>
生命理工学研究科 大窪研究室 aohkubo@bio.titech.ac.jp


図


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