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関連資料

アナウンスメント

「挑戦的研究賞」の受賞者紹介9

「人工心臓装着患者のクオリティ・オブ・ライフの向上」
工学院 准教授(受賞時:精密工学研究所 助教) 
土方 亘


心疾患は全世界の死因で第一位を占めており、その治療には・S臓移植の他、インペラの回転で血液循環を行う人工心臓システムが使われています。例えば米国では年間数千例、日本では数十例の人工心臓移植が行われています。近年では、人工心臓装着患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上が、大きな課題です。現在、人工心臓用血液ポンプのインペラは、患者の状態に関わらず定回転で運転していますが、本来は患者の運動状態や心機能に合わせたきめ細かい運転管理が必要です。そのためには、人工心臓の送血流量を計測するセンサを体内に植え込む必要がありますが、システム複雑化や高コスト化の点から困難です。そこで本研究では、心機能や送血流量のセンサレス推定を実現し、生体心臓と協調制御を行えるインテリジェント人工心臓を提案します。また、給電用ケーブルの皮膚貫通部からの感染による生存率低下や、感染防止のための入浴制限等も課題になっています。これに対し本研究では、磁界共振結合を用いた高効率・大ギャップ非接触電力伝送システムを提案します。 この課題に対し、私達の研究グループでは独自の高分子(デンドリマー)をナノサイズの反応容器として用いた原子レベル精度のナノ?サブナノ粒子合成法を開拓してきました。例えば極限まで微細化した白金粒子が、サブナノ化に伴う特異形状の発現によって、高い酸素還元触媒活性を発現することを初めて見いだしました。安定な正二十面体構造を取れるPt13に対して、一原子少ないPt12では2.5倍の高い酸素還元触媒活性を示します。Pt12は不安定な構造しか取れず、そのために高活性な触媒反応場が露出していることが原因であると考えています。本研究ではこれを更に発展させて原子数のみならず形状(構造)をも能動的に制御することで、サブナノ粒子の機能を引き出す新しい方法論と、サブナノ領域における新しい学理の創出を目指します。

【磁気浮上血液ポンプのインテリジェント化】
本研究では耐久性向上と血液ダメージ低減を目的として、インペラを磁気浮上した血液ポンプを使用します。インペラには、血液粘度や流量に応じた流体力が作用するため、磁気浮上系に外乱オブザーバを構成することで流体力を推定し、心臓の拍動流やポンプの送血流量を追加のセンサを用いずに計測します。心臓の拍動流に同期して血液ポンプを協調制御することで、患者の状態に合わせた適切な流量維持が可能となります。

【高効率・大ギャップ非接触電力伝送システム】
送電側と受電・E、のLC 直列回路の共鳴を利用した、磁界共振結合型電力伝送システムを提案し、1m のギャップで10W の電力伝送実現を目指しています。人工心臓の場合、患者の移動によって両コイルの相対位置が常に変化するので、送電コイル角を制御し、高い伝送効率を維持するシステムを提案しています。

図

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