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アナウンスメント

「挑戦的研究賞」の受賞者紹介10

「生物の多様性を生み出す分子基盤の解明」
生命理工学院 准教授 
二階堂 雅人


ダーウィンがその著書である「種の起源」にも記しているように、地球上のダーウィンがその著書である「種の起源」にも記しているように、地球上のあらゆる生物は、多様な環境に適応し進化することで驚くべき形態的・生態的多様性を獲得してきました。しかし、その適応進化に関わるDNAレベルでのメカニズムは、実のところ現在もほとんど明らかにされていません。つまり、生物がもつゲノムのどの領域に、どのような自然選択が働くことで適応進化が可能になるのかを明らかにすることが、現代進化学に残されたもっとも大きな課題といえるのです。
  そこで私は適応進化の一側面である「平行進化」に注目し、この問題に取り組もうと考えています。平行進化とは、コウモリとトリのように、異なる生物が似通った環境に適応する過程で、似通った形態へと収束する現象のことですが、その遺伝的基盤やプロセスはやはり未解明のままなのです。しかし、その適応進化に関わるDNAレベルでのメカニズムは、実のところ現在もほとんど明らかにされていません。つまり、生物がもつゲノムのどの領域に、どのような自然選択が働くことで適応進化が可能になるのかを明らかにすることが、現代進化学に残されたもっとも大きな課題といえるのです。そこで私は適応進化の一側面である「平行進化」に注目し、この問題に取り組もうと考えています。平行進化とは、コウモリとトリのように、異なる生物が似通った環境に適応する過程で、似通った形態へと収束する現象のことですが、その遺伝的基盤やプロセスはやはり未解明のままなのです。私は、平行進化の好例として知られている「東アフリカ三大湖のシクリッド(淡水の熱帯魚)」において繰り返し獲得されてきた唇の肥大化に注目して、ゲノム中のどの遺伝的変異にどのような自然選択が働くことでこの現象が引き起こされたのか、そこに遺伝的な共通性は存在するのかを明らかにしていきたいと考えています。私は、東アフリカ三大湖の中でも特にビクトリア湖のシクリッドに注目して、唇の厚さが顕著に異なる2種(右側が唇の厚い種)の異種間雑種系統を孫世代まで作製し、その孫個体の唇の厚さを指標とした家系解析により唇の肥大化に関わる遺伝領域の探索をおこなっています(図を参照)。
  最終的には、シクリッドにおける唇の肥大化に際して、実際に自然選択が働いたのか、さらには他湖のシクリッドにおける唇の肥大化も、同じ遺伝的メカニズムによって引き起こされたのか否かを検証していく予定です。そして、これまで・ノ知られている様々な適応進化現象の多くを説明しうる、普遍的な原理探求への一歩としたいと考えています。

連絡先 生命理工学院 二階堂研究室 mnikaido@bio.titech.ac.jp

図
参考図. ビクトリア湖産シクリッドの異種間交雑系統

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