関連資料

細胞内タンパク質結晶を用いた革新的構造解析手法の開発
生命理工学院・助教 安部 聡

タンパク質の自己集合体であるタンパク質結晶は、これまでタンパク質の3次元構造を決定するツールとして広く用いられてきました。近年では、結晶内部に形成される細孔空間に機能性分子を内包することによる機能化が盛んに行われています。

しかしながら、タンパク質結晶の機能化は、結晶化の困難さから数種類のタンパク質に限られ、簡便にかつ大量に合成可能な結晶を用いた機能設計指針の確立が求められています。そこで、我々は、細胞内で自発的に結晶を形成する「多角体」とよばれるタンパク質結晶に着目しました(図a)。多角体は、多角体病ウイルスの感染によって昆虫細胞内で産生される多角体タンパク質の結晶性集合体であり、結晶化する際に75nmのウイルス粒子を自発的に包埋し、ウイルスの長期保存のための鎧の役割を果たす高い安定性を有しています。

これまでに、細胞内結晶化を用いた酵素包埋・放出材料の構築(図b)やアミノ酸欠損による結晶内への細孔構築と細胞内外での外来分子の内包制御(図c)を達成してきました。これらの結果を基盤とし、本研究では、多角体内部にペプチドやタンパク質を内包することにより、それらの構造解析を可能とする革新的なタンパク質結晶解析手法の開発に挑戦します。



図