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関連資料

アナウンスメント

「東工大の星」採択者紹介2

「光・電子・電波融合を具現化する半導体デバイス・集積回路の探索と展開」
大学院理工学研究科 電気電子工学専攻 西山 伸彦


研究内容の概要

異種材料・機能集積技術を利用した半導体素子・回路プラットフォームを実現し、光・電子・電波のシームレスな融合により情報処理・通信に関する諸問題を解決するための我々の取組について紹介させていただく。


背景・目的

将来の高性能・大規模データ処理・通信への要求に対し、ひとつの材料・機能により答えを見つけ出すことが困難になりつつある。例えば、電気回路におけるトランジスタの小型化に反比例する伝送路の遅延問題、光通信における通信速度向上の限界、無線通信における帯域不足など様々な問題が生じている。本研究においては、「異種材料・機能集積」技術をコアにして光・電子・電波のシームレスな融合によって、諸問題を解決するためのプラットフォームを実現することを目的としている。



研究内容

上述した目的に対し、本学にて推進している研究は主に3つあげられる。図1にはそれらをまとめた。一つ目は、電子回路・電子基板の速度制限を突破するため、これまでの電気配線に代わる光配線を導入するための技術である。そのために現在の電子材料の主流材料であるシリコンを利用した光集積回路(通称シリコンフォトニクス)を推進している。我々の研究の特徴として、シリコンだけでは実現できない光機能である光増幅機能や半導体レーザ機能について、化合物半導体をシリコン上に形成する技術を検討している。半導体表面にプラズマ処理することで、間に糊剤をまったく用いることなくシリコンと化合物半導体を接合することが可能となる。この技術を利用することによりシリコン基板上に上述した半導体機能を実際に実現している。また、シリコン電子回路作製技術を利用して電子回路の上に形成可能な3次元多層光配線も実現している。二つ目には従来の半導体レーザダイオードのデータ伝送速度制限を超えるため、トランジスタ構造を半導体レーザに導入したトランジスタレーザを研究している。この構造により、データ伝送時の半導体レーザ中での電子の枯渇を緩和することによって、従来よりも高速に動作させることが可能となる。これまでにAl系半導体材料埋め込み再成長技術という他大学では有しない技術を利用し光通信帯域で動作するトランジスタレーザを実現することに成功している。三つ目に、将来の無線通信で利用することが期待されるテラヘルツ無線通信と光有線通信の信号を変換する小型変換器の研究を行っている。光を照射すると半導体中に電子が生成される。これが半導体の誘電率を変化させるため、テラヘルツの半導体中の伝搬特性を変化させる。これによって光信号が、無線信号に変換される原理である。これはテラヘルツ帯で効果が増大することが特徴であるため素子の小型化が可能である。これまでに原理実験を完了し、小型化に向けた素子設計を行っている。
 これらの技術は、比較的長期的な未来をターゲットとしているが、その過程で培われた技術を積極的に公開することにより、これまでに企業への技術移転なども行っており、今後も学問とともに産業への貢献に尽くしていきたいと考えている。

図
図1

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