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第20号(2006年4月)

 大岡山キャンパスでは、本館前の桜並木が見ごろを迎えています。環境整備の一環として進めてきたウッドデッキの工事も無事終了し、先月は記念式典が行われました。今年も4月4日までキャンパスを開放し、桜花鑑賞を実施しておりますので、皆さまのお越しをお待ちしています。

  ☆桜花鑑賞のご案内
本館前桜並木

=目次===============================================================
【1】研究・産学連携本部からのお知らせ
≫ イベント他3件のお知らせ
【2】産学連携活動のご紹介
≫「東工大発ベンチャーの状況と支援の取り組みについて」
【3】最新発明情報
≫ 今月は未公開特許情報が10件増えました。
【4】21世紀COEコーナー
≫ 革新的な学術「インスティテューショナル技術経営学」
【5】最近の研究成果
≫ 2件の研究成果のご紹介
【6】新聞掲載記事
≫ 9件の東工大研究関連記事ご紹介
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【1】研究・産学連携本部からのお知らせ
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≫≫◆第17回大田区との技術交流セミナー

 日 時: 平成18年4月13日(木)18:00~20:00
場 所: 大田区産業プラザ(PiO)4階 交流サロン
主 催: 大田区産業振興協会、理工学振興会(東工大TLO)
その他: 参加費無料、要事前登録
詳 細: http://www.pio.or.jp/news/2006_03/28_semi/index.htm

 毎月催される本セミナーでは、東工大の教員が大田区内の企業各社に最新テクノロジーをご紹介しています。今月の講演者と題目は下記のとおりです。講演では、硬脆材料の微細加工方法や、高静水圧環境切削加工装置をご紹介いたします。受講希望者は、HPの申込みフォームから事前登録を行って下さい。

[講演者]理工学研究科 機械制御システム専攻 吉野雅彦助教授
[題目]「硬脆材料の微細機械加工」

 

≫≫◆「理化学研究所との連携協定」
 去る3月2日(木)、東工大と独立行政法人理化学研究所は、理化学研究所東京連絡事務所において調印式を開催し、「連携・協定の推進に関する基本協定」を締結しました。理化学研究所から野依良治理事長ら、本学からは相澤益男学長らが出席しました。
両機関は、新たな連携・協力の枠組みを構築し、国際的競争力を持つ自然科学の新しい研究領域の開拓やその推進を担う人材の育成を行います。今後「東工大・理研国際スクール(仮称)」や「連携講座」の創設を予定しておりますので、ご期待ください。
http://www.titech.ac.jp/news/j/news060306-j.html

 

≫≫◆「博士(工学など)と技術経営修士の同時取得」
大学院イノベーションマネジメント研究科技術経営専攻は、4月から博士と同時に技術経営修士(MOT)を取得できる「デュアルディグリープログラム」を開始します。本学博士課程後期課程の学生及び進学予定者を対象としており、年2回の選抜では推薦書と志願票の審査及び面接を行います。プログラムの詳細については、HPをご覧ください。

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【2】産学連携課活動のご紹介
「東工大発ベンチャーの状況と支援の取り組みについて」
リエゾン・研究情報部門員 高木 栄
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 東工大では、東工大の研究成果や人的資源を活用して起業されたベンチャー企業に対し、「東工大発ベンチャー」の称号を授与しています。称号を授与された企業は、現在、35社に上っています。35社の内訳を事業分野で見ますと、IT:19、バイオ:4、環境エネルギー:4、計測・研究機器:4、材料:2、その他:2です。起業のきっかけで見ますと、大学の研究を活用:25、学生の発案:10です。また、資本金では、1千万円以下:19、1億円以下:9、1億円超:7です。

 私は昨年9月より、ベンチャーの発掘・育成支援を専任で担当しています。発掘支援については、(1)技術のマーケティング、(2)ビジネスモデルについての相談、(3)補助金獲得支援、(4)開発人材の紹介などにより、有力企業が多く生まれるよう取り組んでいます。育成支援については、(1)顧客紹介、(2)連携先紹介、(3)人材獲得支援、(4)資金調達支援、(5)経営相談、(6)人的ネットワークによる各分野のプロフェッショナルの紹介により、東工大発ベンチャーの経営の充実が図られるよう微力ではありますが取り組んでいます。また、発掘・育成支援のベースとなります情報収集、人的ネットワーク形成にも重点を置いています。

 日本の代表的なベンチャーキャピタルでは、キャピタリストの担当社数が5~10社です。私の支援対象は現在35社あり、しかも新たな発掘を同時に行っています。しかし、一人でできることは限られています。このため可能な限り効果的な支援となるよう心掛けています。

 東工大にはベンチャーの事業シーズとなる多くの先端技術やビジネスアイデアがあります。また、既に起業された東工大発ベンチャーも産業社会に貢献できる有力な技術やビジネスモデルを持っています。

 大学の技術を社会に直接的に役立てる手段として、大きくは受託・共同研究、ライセンシング、ベンチャーの3つがあります。皆様のご指導ご鞭撻を賜り、大学の事業シーズが「ベンチャー」という切り口から、より大きな社会貢献につながるよう取り組んでいきたいと考えています。

 東工大発ベンチャーの称号授与の規則は、HPをご参照ください。
東工大発ベンチャー一覧は、HPをご参照ください。
(35社中、32社掲載中。残り3件は追って掲載いたします。)

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【3】最新発明情報:特許情報公開のご案内
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 技術シーズの宝庫である東工大の特許情報を、研究・産学連携本部HPの「最新発明情報」に掲載しています。ここでは未公開特許を含め、順次新情報も掲載しておりますので、是非皆様の商品開発にご活用ください。今月は未公開特許情報が10件増えました。詳しくは下記をご覧ください。

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【4】21世紀COEコーナー
革新的な学術分野「インスティテューショナル技術経営学」
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 今月で12拠点ある21世紀COEプログラムの紹介が終了します。最後は、社会理工学研究科 経営工学専攻の渡辺千仭教授を拠点リーダーとし、同専攻とイノベーションマネジメント研究科の教員とが協力して行っている平成16年度からのプログラム「インスティテューショナル技術経営学」を紹介します。

 本拠点名のインスティテューションというのは、一般的な訳語である「制度」ではなく、(1)国家戦略・社会制度、(2)企業レベルでの組織文化、(3)時代背景といった3つの次元で象られる国や地域における社会経済体質や文化、慣習、倫理観、価値観などを指します。本拠点では、以下のテーマを掲げています。

1) 技術イノベーション牽引力を決める市場-技術相互作用メカニズムのシステム分析
2) 日本型技術イノベーション創出サイクルの体系化
2-1 日本型技術創造の方法論
2-2 無形資産の在庫マネジメントの理論と手法
2-3 日本型インスティテューションにおける技術の事業化戦略
3) 技術イノベーションと共進しうるインスティテューションの歴史的示 唆抽出

 イノベーションは、市場となる国や地域の文化や慣習などと密接な関係がありますので、市場の文化や慣習を勘案してビジネスを作り上げねばなりません。国や地域ごとに異なる文化や慣習といった市場の独自性とビジネスの成否の関係を解明しようとするのが、本拠点が目指すところです。技術経営の対象自体に視点を固定するのではなく、技術経営の実態的対象を取り巻く制度や環境条件の特性まで視野を拡大することにより、土壌の異なる国でも適応可能な一般性のある技術経営を目指す点で、革新的な学術分野を開拓していきます。

 こうした開発・生産・流通・消費・廃棄のサイクルの総合価値を工学的・システム的に、可視化・操作化するための理論および方法論を研究する革新的な学術分野の創造は、自然科学と社会科学とを融合させた社会理工学研究科で培われてきた (1)技術経済システムの戦略・戦術、(2)開発・生産面を軸としたオペレーション、(3)技術構造分析の歴史的俯瞰の3視点から共進ダイナミズムを解明することを礎としています。また、イノベーションマネジメント研究科の知的財産管理の観点も重要です。

 教育面では、世界に通用する日本型技術経営に関する(1)研究・教育リーダー、(2)国際実践リーダー、(3)次世代研究の担い手、を5年間で30名以上輩出することを目標に掲げています。また、世界の英知を結集して取り組むべく米国・欧州諸国・ロシア・中国・インド・豪州との共同研究に積極的に取り組み、定期的に、国際シンポジウムや講演会の開催、研究者や学生の交流を行っています。

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【5】最近の研究成果
2件の研究成果のご紹介
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≫≫◆「たんぱく質ホスホターゼ2Aが減数分裂時の染色体の接着部を保護する」
"Protein phosphatase 2A protects centromeric sister chromatid
cohesion during meiosis I" Nature vol.440 (Web版 15 March 2006)
生命理工学研究科 バイオ研究基盤支援総合センター 白髭克彦助教授
加藤由起氏、森沙織氏

 生殖細胞の減数分裂では、父母それぞれに由来する染色体が複製した後に2回連続で分裂する際に染色体数が半分になります。複製した染色体は中央部で接着しており、1回目の分裂ではその部分を保護することで中央部が接着したままの2本の染色体が1つの細胞に入り、2回目の分裂では中央部の接着の保護がなく1本ずつの染色体が1つの細胞に入ります。この染色体中央部の接着保護に、たんぱく質ホスホターゼ2Aが関与していること、また、その反応機構が解明されました。不妊症や流産、ダウン症のメカニズム解明への鍵になると期待されます。

なお、本論文は、オーストリア分子病理学研究所、三菱総合研究所、ウィーン医科大学(オーストリア)、マックス-プランク研究所(ドイツ)の各研究者との共著です。

 ・白髭研究室

≫≫◆「始生代初期の微生物によるメタン生成に対する流体包有物からの証拠」
"Evidence from fluid inclusions for microbial methanogenesis in the early Archaean era"Nature vol.440 pp516 (2006) 
総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 上野雄一郎助手
総合理工学研究科 化学環境学専攻 山田桂太助手
フロンティア創造共同研究センター 吉田尚弘教授
理工学研究科 地球惑星科学専攻 丸山茂徳教授

 メタン生成菌は、最も原始的な生命体の1つであると思われていますが、それが地球上に初めて現れた時期ははっきりしていませんでした。しかし、オーストラリアのピルバラ地塊で得られた35億年前の熱水沈殿中のメタンを含む流体包有物の粉砕抽出と炭素同位体分析結果は、この時代にはメタン生成菌が存在した証拠を示しており、これまでの地球化学的証拠を約7億年もさかのぼるものとなっています。

 なお、本論文は、東京大学総合文化研究科 磯崎行雄教授との共著です。

 ・吉田研究室
丸山研究室

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【6】新聞掲載記事
9件の東工大研究関連記事ご紹介
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≫≫◆「 研磨剤開発」(日経産業新聞 2/21)
株式会社タイテム

 半導体表面により精密な平滑さが要求されている現在、東工大発ベンチャーの株式会社タイテムは、研磨剤用に粒径20nmのコロイダルシリカを開発しました。この粒径は従来の研磨剤の1/3であり、ウェハー表面の研磨に使用すると、従来品を使用した場合の15nmの凸凹より平滑な9nmの平滑さが得られます。

 ・株式会社タイテム

≫≫◆「光周波数コム発生器」(日刊工業新聞 2/21、化学工業日報 2/21)
株式会社光コム研究所

 東工大発ベンチャーの株式会社光コム研究所は、単一レーザーを周波数間隔が等しく且つ強度の揃った多波長レーザーに変換する「光周波数コム発生器」を開発しました。電気光学変調器と光共振器が一体となっているため小型軽量で、大容量通信に適しています。

 ・株式会社光コム研究所

≫≫◆「小型衛星『Cute-1.7 + APD』を載せたM5ロケットの打ち上げ」
(朝日新聞2/22夕刊・3/3夕刊、日本経済新聞 2/22夕刊、東京読売新
聞 2/22夕刊、日刊工業新聞 2/23、産経新聞 2/23朝刊)
理工学研究科 基礎物理学専攻 河合誠之教授
理工学研究科 機械宇宙システム専攻 松永三郎助教授

 赤外線天文衛星「あかり」を載せたM5ロケットを、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2/22に打ち上げましたが、これに、理工学研究科機械宇宙システム専攻 松永研究室の小型衛星Cute-1.7 + APDも搭載されていました。Cute-1.7 + APDは、学生が主導的に開発した衛星バス機器、工学ミッションモジュール(20×10×10cm)で、理工学研究科基礎物理専攻河合研究室が開発したAPD (Avalanche Photo Diode)センサモジュールを搭載しています。Cute-1.7 + APDはM5から無事に分離され、軌道に乗りました。

 ・小型衛星「Cute-1.7 + APD」プロジェクト
河合研究室
松永研究室

≫≫◆「キトサンで排水中のフェノールを除去」(日経産業新聞 2/24)
留学生センター(兼任:理工学研究科 国際開発工学専攻)広瀬幸夫教授

 工場排水などに含まれるフェノールの分離回収に、廃棄物であった甲殻類の殻成分のキトサンを用いる方法を開発しました。フェノールをフェノール化合物とする酵素とキトサンを排水に加え、熱をかけると、フェノール化合物と酵素、キトサンが固まって沈殿します。ろ過した沈殿物は温度を下げるとキトサンと酵素、フェノール化合物が分離しますので、キトサンと酵素を回収して再利用できます。

 ・広瀬研究室

≫≫◆「顔の特徴を数値データに変換」(朝日新聞 2/28朝刊)
社会理工学研究科 経営工学専攻  梅室博行助教授

 山野美容芸術短期大学の富田知子助教授とともに、女性の美容アドバイスを客観的にできる評価ソフトを開発しました。女性の顔写真を「大人っぽい」「かわいい」など15項目の印象について評価し、これを、目の間隔、眉の上がり方などの数値と組み合わせました。このソフトを用いることで、顔写真から「見せたい印象」への美容カウンセリングが可能になります。

 ・梅室研究室

≫≫◆「マウスES細胞から肝臓組織」
(信濃毎日新聞 3/6、日経産業新聞 3/15)
生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻 田川陽一助教授

 田川助教授のグループは、信州大学医学部とキッセイ薬品工業株式会社と共同で、マウスのES細胞を分化させ、肝細胞など複数種類の細胞からなる肝臓組織をつくることに成功しました。つくった肝臓組織は、アンモニア分解やアルブミン産生などの肝臓の基本的な機能を持っていることが確認されています。この技術を用いれば、動物を使わない試験管内での新薬検査システムを構築できる可能性があります。

 ・田川研究室(2006年4月上旬掲載予定)

≫≫◆「サケ白子の高分子DNA」(日経産業新聞 3/6)
フロンティア創造共同研究センター 岡畑恵雄教授

 株式会社ニチロは岡畑教授のグループと共同で、サケの白子から天然のDNAを抽出する技術を開発しています。抽出されるDNAは分子量が600万と大きいもので、かつ、不純物の極めて少ないものです。ニチロと福岡歯科大学は、この分子量の大きいDNAを用いて、人工歯を骨に定着する技術を開発しました。これまで、廃棄されていたサケの白子を再生医療に利用する道が開かれました。

 関連特許 特開2005-289852

 ・岡畑研究室

≫≫◆「合体・組替えロボット」(日経産業新聞 3/8)
総合理工学研究科 知能システム科学専攻 村田智助教授

 サイコロ型のロボットを組み合わせて、クモ型、ヘビ型、イヌ型など目的に合わせた形をとるロボットを開発しました。それぞれのサイコロ型ロボットにモーターやCPU、バッテリー、赤外線センサーが組み込まれており、他のサイコロ型ロボットと協同して動き、障害物の確認ができ、連結や分離によって組み替えて色々な形体を取れます。災害救助や宇宙探査での利用を目指します。なお、この研究は、独立行政法人 産業技術総合研究所との共同研究です。

 関連特許 特開2004-358636
村田研究室

≫≫◆「生殖細胞の減数分裂の解明」(日経産業新聞 3/17)
生命理工学研究科 バイオ研究基盤支援総合センター 白髭克彦助教授

 【研究成果】をご覧下さい。

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