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第50号(2008年10月)

   皆さまこんにちは。日差しも爽やかになり、秋らしさが増してまいりまし
   たがいかがお過ごしでしょうか。
   今月はオープンキャンパスと工大祭が催されます。皆さまのご来場、心よ
   りお待ちしています。

   
   ━━≫◆◆目次◆◆≪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   
   【1】研究・産学連携本部からのお知らせ
    ≫ 8件のお知らせ
   【2】産学連携活動のご紹介
    ≫ 新たな組織的連携の締結について
   【3】最新発明情報
    ≫ 今月は未公開特許情報が5件増えました
   【4】最近の研究成果
    ≫ 1件の研究成果のご紹介
   【5】新聞掲載記事
    ≫ 24件の東工大研究関連記事のご紹介
   
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   【1】研究・産学連携本部からのお知らせ
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   ≫≫◆NTT、野村総研との組織的連携協定締結について
   
   東京工業大学は9月10日に日本電信電話株式会社(NTT)と、9月22日に株式
   会社野村総合研究所と、それぞれ組織的連携協定を締結いたしました。詳
   しくはHP及び「産学連携活動のご紹介」をご覧ください。   
   詳 細:http://www.titech.ac.jp/news/j/news080918-j.html(NTT)
       ※野村総研との組織的連携については、近日東工大HPに掲載予定
   
   ≫≫◆グローバルCOEプログラム「震災メガリスク軽減の都市地震工学国際
      拠点」キックオフシンポジウム
   
   日 時:平成20年10月6日(月)13:30~17:30
   場 所:大岡山キャンパス緑ヶ丘地区 M011講義棟
   主 催:東京工業大学都市地震工学センター
   その他:参加費無料、要事前申込み
   詳 細:http://www.cuee.titech.ac.jp/Japanese/Events/2008/sympo_081006.html
   
   本プログラムは、世界的に増大する震災メガリスク軽減のため、都市地震
   工学センターのもとに教育研究を推進し、世界の地震工学の教育研究をリ
   ードするわが国唯一の都市地震工学国際拠点の形成を目指します。
   
   ≫≫◆東工大「ロボット創造塾」

   日 時:第1講 平成20年10月8日(水)13:00~20:00、9日(木)9:00~15:00
       第2講 平成20年10月24日(金)13:00~20:00
   場 所:大岡山キャンパス(詳細はHP参照)
   主 催:(財)理工学振興会、スーパーメカノシステム創造開発センター
   その他:参加費有料、要事前申込み(定員になり次第〆切)
   詳 細:http://www.titech-tlo.or.jp/robot/robotsouzoujyuku-index.html   

   この度、「スーパーメカノシステム創造開発センター」は(財)理工学振
   興会の協力を得て、ロボット開発のノウハウと創造的発想法を学んでもら
   う塾を開講します。
   第1講は、与えられた目的を達成するためのロボット開発のために不可欠な
   機器の選定など具体的な方法について、第2講は、ロボットに関連する新製
   品開発などに不可欠なロボット機構の基本的な設計原理について解説しま
   す。
   
   ≫≫◆第2回統合研究院「環境プロジェクト・ワークショップ」
      低リスク社会の実現に向けて
      ~脱温暖化に向けての技術開発とリスク評価~
   
   日 時:平成20年10月8日(水)13:00~17:30
   場 所:大岡山キャンパス 西8号館10階 情報理工学研究科大会議室
   主 催:東京工業大学統合研究院
   その他:参加費無料、要事前申込み(定員になり次第〆切)
   詳 細:http://www.iri.titech.ac.jp/pdf/ws_081008.pdf
   
   科学技術の進展は私たちの生活を豊かにする一方で、資源の枯渇や温暖化、
   環境汚染、廃棄物問題など負の影響をもたらし、リスクを伴うことも認識
   されています。今回はリスクとして地球温暖化を取り上げ、特に脱温暖化
   に向けた新しい代替燃料技術の開発の現状と、そのリスク評価に必要な曝
   露評価と健康影響評価についてご報告いただき、低リスク社会実現に向け
   た方策を議論します。
   
   ≫≫◆MOTシンポジウム「リスクを取る!」
   
   日 時:平成20年10月9日(木)10:30~16:40
   場 所:大岡山キャンパス 70周年記念講堂
   主 催:イノベーションマネジメント研究科
   その他:参加費無料、要事前申込み
   詳 細:http://www.mot.titech.ac.jp/event.html
   
   リスクを取ることの意味、そのための心構え、それに向けた大学教育など
   について講演・パネルディスカッションを通じて考えます。
   
   ≫≫◆平成20年度 精密工学研究所公開(第6回学術・研究公開)
   
   日 時:平成20年10月24日(金)10:00~17:00
   場 所:すずかけ台キャンパス
   主 催:精密工学研究所
   詳 細:http://www.pi.titech.ac.jp/NEW/koukai08
   
   【プログラム】
   ・研究室公開 10:00-17:00 各研究室にて
   ・技術相談案内10:00-12:00、13:00-15:00  R2棟1階受付
   ・技術講演会 15:00-16:30  G4棟大会議室にて
     佐藤 一雄(本研究所客員教授・名古屋大学教授)
     「教科書を疑え MEMSのサイエンス」
   ・産学連携相談会
     10:00~17:00フロンティア研究センター棟にて
     ※ご興味お持ちの方はmail[at]sangaku.titech.ac.jpまでご連絡ください。
	  メールアドレス内の[at]は@に置き換えてご送信ください。
   ・東工大新技術コーナー公開
     10:00~17:00フロンティア研究センター棟にて
   
   ≫≫◆東京工業大学オープンキャンパス&工大祭2008
   
   日 時:平成20年10月25日(土)~26日(日)
   場 所:大岡山キャンパス
   主 催:東京工業大学
   詳 細:http://www.koudaisai.jp/
   
   工大祭は、毎年10月下旬に大岡山キャンパスで開催される学園祭です。同
   日開催されるオープンキャンパスでは、研究室が一般に公開され、各研究
   室が行っている東工大ならではの最先端の技術や研究に触れることができ
   ます。
   
   ≫≫◆統合研究院「国際エネルギーワークショップ」
      パワーエレクトロニクスの将来展望
      ~省エネルギーと再生可能エネルギー利用を向上させる~
   
   日 時:平成20年10月29日(水)9:00~17:30
             30日(木)9:00~16:00
   場 所:大岡山キャンパス西8号館東棟10階 情報理工学研究科「大会議室」
   主 催:東京工業大学統合研究院
   その他:参加費無料、要事前申込み(定員になり次第〆切)
   詳 細:http://www.iri.titech.ac.jp/pdf/20081029energy.pdf
   
   本ワークショップでは、ノルウェー大学、アーヘン工科大学、マサチュー
   セッツ工科大学、デルフト工科大学、京都大学、大阪大学等々、内外の研
   究者をお招きして、パワーエレクトロニクスを活用したシステム技術につ
   いて議論します。   


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   【2】産学連携活動のご紹介
      新たな組織的連携の締結について
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   本学は、本年9月10日に日本電信電話株式会社(NTT)と、また9月22日には
   株式会社野村総合研究所とそれぞれ組織的連携協定を締結いたしました。
   日本電信電話株式会社との連携では、これまで行ってきた光デバイス分野
   を核に連携協力を推進していくとともに、両者の強みである環境エネルギ
   ー分野での連携協力を拡大し、情報通信分野、特に光デバイス分野・環境
   エネルギー分野において世界を先導する技術を持続的に創造するとともに、
   共同研究等を通じて国際的リーダーシップを発揮できる若手人材の育成へ
   の貢献を目指しております。
   株式会社野村総合研究所(野村総研)との連携では、「サービスイノベー
   ション」すなわちサービスの生産性向上を科学的にアプローチすることで、
   大きなビジネスチャンスと豊かな学問・研究体系を生み出していく新しい
   分野に関する研究・教育の推進を図ることとし、寄附研究部門の設置、研
   究交流会(名称:イノベーションブリッジ)の開催、共同研究の推進など、
   多様な角度から連携を推進いたします。
   本学の組織的連携は、今回の2社との連携を加え合計15になりました。
   内訳は、製造業10社、サービス産業4社、公的研究機関1機関です。これ
   までの産学連携は自然科学系・工業分野であるのに対して、野村総研との
   連携は、社会科学系・サービス分野での初めての産学連携で、社会学、経
   済学、工学など異分野融合の連携であることが、大きな特徴となっていま
   す。また、NTTとの連携では従来からの共同研究に留まらない若手人材育成
   への貢献も大きな目的としております。
   本学は、昨年度米国のマイクロソフト社との組織的連携締結により一層の
   国際的連携を推進し、今回は、社会科学分野での連携、そして人材育成分
   野への貢献も目的とした連携を行うこととし連携の態様を多様なものとし
   ました。本学は、従来からの連携活動を着実に推進するとともに、産業界
   や時代の要請に基づく新たな連携活動を取り入れつつ今後も進化したいと
   考えております。



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   【3】最新発明情報
      特許情報公開のご紹介
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   研究・産学連携本部のHPでは、特許情報をご紹介しています。今月は未公開
   特許情報が5件増えました。それ以外にも公開特許情報、登録特許情報をお
   知らせしています。詳しくはHPをご覧ください。
   HP:http://www.sangaku.titech.ac.jp/invent/member.html   



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   【4】最近の研究成果
      1件の研究成果のご紹介
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   ≫≫◆“Structural basis for specific cleavage of Lys 63-linked
      polyubiquitin chains” 
      Nature Vol.455 p.358-362 (2008)
      生命理工学研究科 生体システム専攻 駒田雅之 准教授
      生命理工学研究科 生命情報専攻 准連携講座 濡木理 教授
   
   細胞内で働く「ユビキチン」という物質の働きを抑える酵素の立体構造を
   突き止めました。ユビキチンは細胞内のたんぱく質にくっついて分解をう
   ながし、細胞内を清潔に保つ役割があり、不要なたんぱく質を識別する目
   印になります。また、中にはDNAの修復やたんぱく質合成などの際にのみ目
   印として働く種類もあります。本研究では、細胞増殖にかかわるたんぱく
   質にくっつくユビキチンと、そこに結合してユビキチンをたんぱく質から
   切り離す酵素「AMSH」の組み合わせに着目し、結合と切り離しの仕組みを
   解明したものです。この研究成果は、東京大学、大阪大学との共同研究に
   よる成果です。
   ・駒田研究室 http://www.kitamura-komada-lab.bio.titech.ac.jp/komada-lab.html


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   【5】新聞掲載記事
      24件の東工大研究関連記事ご紹介
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   ≫≫◆液滴転落の高速計測キット(日刊工業新聞8/22)
      理工学研究科 材料工学専攻 中島章 准教授
   
   中島准教授が中心となって進められていた神奈川科学技術アカデミー(KAS
   T) の中島「ナノウェッティング」プロジェクトの研究成果として「液滴転
   落挙動解析システム」が協和界面科学から製品化されます。 秒間500コマ
   撮影の高速カメラ映像をもとに、特殊なアルゴリズムにより、液滴が斜面
   を転落する時の各端面の加速度や移動速度、高さなどを10カ所で同時計測
   するものです。レジスト保護膜の液残り、フロントガラスの撥水性、送電
   線、道路標識、屋根などにおける着雪防止、建築資材の撥水・撥油による
   防汚性、繊維の撥水・撥油性、木材の吸湿防止 などの製品開発に威力を発
   揮します。
   ・関連発明:特開2007-232449、2006-257337
   ・中島研究室 http://www.rmat.ceram.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆触媒技術を使った稲わら・廃材からのバイオ燃料
      (日本経済新聞8/25朝刊)
      応用セラミックス研究所 原亨和 教授
   
   バイオ原料からエタノールを作る際には、まず、これらを糖にする必要が
   あります。トウモロコシなど食料では、含まれる糖を取り出して使えます
   が、稲わらや廃材では、主成分のセルロースを糖化するのに多大な費用と
   エネルギーが掛かっていました。原教授の開発した固体酸触媒は、セルロ
   ースも水中100℃で糖化することが可能です。この固体酸触媒自体も安価な
   炭素材料から作ることができますし、固体なので反応後の分離が容易で余
   分な廃液を出しません。また、セルロースを分解してできる糖は、エタノ
   ール製造に使うだけでなく、別の医薬品や樹脂の原料にも転用できます。
   現在、実用化をめざした多くの企業が関心を示しています。
   ・関連発明:特願2008-057297、特開2008-214508、2008-138118、
         2006-344485、2006-342092、2006-257234、再表2005/029508
   ・原研究室 http://www.msl.titech.ac.jp/~hara/

   ≫≫◆新規構造を有したフェノール樹脂の精密重合(化学工業日報8/26)
      理工学研究科 有機高分子物質専攻 小西玄一 准教授
   
   フェノールの水酸基に機能分子を導入した新規構造のフェノール樹脂の精
   密合成法を確立しました。構造を制御することで、フェノール樹脂以上の
   高い耐熱性を保持しながらフィルム形成能を有するポリマーが合成でき、
   直鎖状、熱可塑性、超高分子量ノボラックも合成できます。さらに、10nm
   程度の芳香族系微粒子や、らせん高分子の構築にも成功しています。安価
   な原料からの量産も可能で、従来のエンジニアリングプラスチックより耐
   久性の高い耐熱材料や、高性能の発泡フェノール樹脂、透明でしかも高温
   で使用できる接着剤、絶縁材料などへの応用が期待されます。
   ・小西研究室 http://www.op.titech.ac.jp/polymer/lab/konishi/index.html
   
   ≫≫◆5層セルの超高効率型薄膜太陽電池(電気新聞8/26)
      理工学研究科 電子物理工学専攻 小長井誠 教授
   
   小長井教授らは、バンドギャップが異なるセルを5層にわたり接合する技術
   を開発し、長波長から短波長まで最大限の光波長を吸収できるようにする
   とともに、光透過率が高い透明導電膜の開発やセルの材料組成を最適化し
   て電圧も高めることを計画しています。さらにセル電圧を高める効果のあ
   る集光装置も採用することで、最終目標である変換効率40%の突破を目指
   しています。
   ・小長井研究室 http://solid.pe.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆電気自動車充電システムの開発(日刊工業新聞8/26)
      統合研究院 先進的エネルギー・マネジメント(AEM)プロジェクト
   
   三菱商事、三菱自動車、トステム住宅研究所、ジーエス・ユアサパワーサ
   プライが参加して、電気自動車(EV)向け充電システムの研究開発を開始
   します。この研究では、EVへの電力供給でも環境負荷が小さくなるよう、
   太陽光・太陽熱・風力といった再生可能エネルギーを有効活用する仕組み
   づくりに主眼を置きます。大岡山キャンパスに、発電容量2.54kWの結晶型
   太陽電池パネル、太陽熱発電機、電力制御ユニットを介した充電装置を設
   置します。さらに、すずかけ台キャンパスと田町キャンパスにも充電装置
   を設置し、実際のEV走行を行いながらの実証実験を行います。
   ・AEMプロジェクト http://www.iri.titech.ac.jp/research/project/pj001.html
   
   ≫≫◆バイオリンの音色の周波数を分析(日刊工業新聞8/27)
      半導体・MEMS支援センター 松谷晃宏 センター長
   
   バイオリン演奏時の音の周波数を測定し、人間の感覚と物理量とのバラつ
   きをデータで明らかにしました。バイオリニストが同一の曲を18種のバ
   イオリンで弾き比べたCDから「ラ」音を抽出して分析したところ、高い「
   ラ」の方が正確な標準周波数に対して演奏時のバラつきが大きいことがわ
   かりました。また、全体的に標準周波数より低い音はより低く、高い音は
   より高くなる傾向がみられました。このような科学的なデータが演奏時の
   参考になることが期待されます。
   ・半導体・MEMS支援センター http://www.pi.titech.ac.jp/~tech/scmems/index.html
   
   ≫≫◆基板にイオン液体の膜を蒸着する技術(日経産業新聞8/29)
      応用セラミックス研究所 松本祐司 准教授
   
   イミダゾリウム系イオン液体を染み込ませた直径数100μmのシリコン微粒
   子の塊にレーザー光を照射するとシリコンが光を吸収して熱くなり、その
   熱でイオン液体が沸点以上になって蒸発します。そこに基板をおいておく
   ことで、基板に飛んで液滴ができることを確認しました。通常、半導体装
   置は真空であるため液体は蒸発してしまいますが、イオン液体は蒸発しな
   いので、基板上に付着すれば離れません。液体が広がりやすい基板を用い
   れば、導電性の膜となり、半導体製造装置内で電極と電解質を一貫生産で
   きます。また、この技術は有機物を劣化させる空気に触れない真空中での
   化学合成や、ナノメートルスケールの狭い領域での化学反応も可能にしま
   す。
   ・松本研究室 http://www.msl.titech.ac.jp/~matsumoto/
   
   ≫≫◆細胞増殖、DNA修復に関する酵素の構造解明
      (日経産業新聞9/1、毎日新聞9/7朝刊)
      生命理工学研究科 生体システム専攻 駒田雅之 准教授
   
   →「【4】最近の研究成果」をご覧ください。
   
   ≫≫◆高校生の小中学生向けバイオ教材開発を支援(日刊工業新聞9/2)
      生命理工学部 
   
   2005年度から文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」
   で、小中学生向けでゲームや絵本などに工夫をしたバイオ教材コンテスト
   「東工大バイオものつくりコンテスト」を手がけてきました。今回は、高
   大連携の一環として、近隣の高校の生物部などの生徒が、7~10月の3カ月
   で小中学生向けのバイオテクノロジー教材を開発するのを東工大の学生が
   サポートします。
   ・生命理工学部 特色GP&バイオコンテスト http://www.bio.titech.ac.jp/gp.html
   
   ≫≫◆球状微粒子カーボンオニオンの固体潤滑剤
      (化学工業日報9/3、日経産業新聞9/8、科学新聞9/12)
      理工学研究科 機械物理工学専攻 平田敦 准教授
   
   カーボンオニオンは、グラファイトがたまねぎのように層になった、直径
   5-10nm程度の炭素原子のみで構成された球状のナノカーボン閉構造体です。
   フラーレンが球状中空構造であるのに対して、内部にも炭素原子が詰まっ
   ており、分子間結合力がきわめて小さいことが特徴です。平田准教授らは、
   高周波誘導加熱炉を用いて、ダイヤモンドナノ粒子やカーボンブラックな
   どを不活性雰囲気中、約2500℃に高速加熱することによって微粒子カーボ
   ンオニオンを生産する手法を確立しました。カーボンオニオンの摩擦係数
   は0.02から0.13と従来の固体潤滑剤よりも優位で、従来の希少金属を含む
   固体潤滑剤の代わりに半導体の製造に用いたり、圧力や温度の変化が激し
   い環境下で用いられる機械システムの潤滑剤としての実用化が期待されま
   す。
   ・関連発明:特開2008-201604
   ・平田研究室 http://www.3mech.titech.ac.jp/ms_tokura/ms_tokura.html
   
   ≫≫◆日産自動車ゴーン賞を受賞
      (日本経済新聞9/3朝刊、日経産業新聞9/3、日刊工業新聞9/3)
      理工学研究科 機械宇宙システム専攻 広瀬茂男 教授
   
   広瀬教授は、日産自動車との共同研究「車両自動組立のための生物規範型
   人協働ロボットの開発」について、カルロス・ゴーン賞(日産自動車が設
   立した同社の共同研究を表彰する賞)を受賞しました。研究成果は「部品
   の自動ピッキングを行う汎用ハンド」、「車体等を搬送する全方向移動台
   車」、「重量物の組付けを支援する軽量高性能アーム」という形で実用化
   され、日産の各生産工場へ順次導入されつつあります。
   ・広瀬研究室 http://www-robot.mes.titech.ac.jp/home.html
   ・カルロス・ゴーン賞
    http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/080902-01-j.html?rss
   
   ≫≫◆鉄系高温超電導物質の単結晶薄膜を作製(日経産業新聞9/4、
      化学工業日報9/4、東京新聞9/9朝刊、中日新聞9/9)
      フロンティア研究センター 細野秀雄 教授
   
   本年2月に細野教授らが発表した新タイプの鉄ニクタイド系高温超電導物質
   は、これまで、原料の粉を焼き固めて作るブロック状の試料しか得られて
   いませんでした。今回、レーザー光を照射し原料を蒸発させ、向かい合わ
   せに置いた基板上に徐々に積み重ねるパルスレーザー堆積法で、厚さ約30
   0nmの単結晶薄膜の作製に初めて成功しました。最初に発表した酸素を含む
   タイプの薄膜は20Kで超電導になりました。そのほか、細野教授らの後にド
   イツの研究者が改良した酸素のないタイプでも薄膜作成に成功しました。
   鉄ニクタイド系の超電導物質は、2月の発表後、世界で研究競争が進み、5
   6Kで超伝導になる化合物も開発されています。
   ・細野研究室 http://lucid.msl.titech.ac.jp/~www/
   
   ≫≫◆性能10倍実現した新型のPZT圧電体(日刊工業新聞9/9)
      総合理工学研究科 物質科学創造専攻 舟窪浩 准教授
   
   センサーやアクチュエーターなどに使う圧電体で現在主流の材料であるチ
   タン酸ジルコン酸鉛(PZT)の実用的な単結晶膜の合成に初めて成功しまし
   た。現在普及している多結晶PZTに比べ、性能を10倍以上に高められます。
   従来の単結晶膜は、厚み0.1μmが限界でしたが、本方法では、実用水準の
   10μm程度まで厚くできる見込みです。
   ・舟窪研究室 http://f-lab.iem.titech.ac.jp/f-lab.htm
   
   ≫≫◆(株)エレクトラ(東工大発ベンチャー)レーザーを用いた金属精錬
      (日経産業新聞9/9)
   
   東工大発ベンチャーの(株)エレクトラは、海水からMgの化合物を取り出
   し、レーザーを照射して高純度のMgを得る仕組みを考案しました。年内に
   も専用プラントを立ち上げる計画です。用いるレーザーは、太陽光を赤外
   光の単一波長に変換したもので、2000℃に相当するものです。研究室レベ
   ルで成功した精錬を量産レベルまで高められるかどうかが鍵となります。
   ・株式会社エレクトラ http://www.electra-mg.com/
   
   ≫≫◆新型インフル対策シミュレーション(日経産業新聞9/10)
      総合理工学研究科 知能システム科学専攻 出口弘 教授
   
   新型インフルエンザの発生に備え、学校や公共交通機関などを通じた感染
   拡大をコンピューターでシミュレーションする研究が活発になっています。
   三菱総合研究所や千葉大学のグループがシミュレーション結果の公表した
   ほか、国土交通政策研究所と国立感染症研究所では新型インフル発生時の
   公共交通機関への影響予測研究を開始しましたが、コンピューターの処理
   速度が遅く、膨大な人の移動量を計算するのに膨大な時間がかかる点が問
   題となっています。出口教授は、シミュレーションプログラムの開発を開
   始します。
   ・出口研究室 http://degulab.cs.dis.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆DNAを用いたナノ構造物(日経産業新聞9/13)
      総合理工学研究科 知能システム科学専攻 村田智 准教授
   
   村田准教授は、塩基を人工的に組み合わせて作ったDNAを、ブロック状の部
   品として組み立てられる設計手法を考案しました。基本構造物は直角に折
   り曲げたような形をしており、ブロックを組み合わせることでT字型となる
   など、さまざまな形状の構造物を作ることが可能です。DNA1塩基当たり0
   .34nm単位ですので、この単位でのナノ構造体設計が可能です。金属粒子と
   組み合わせることで、高密度の磁気記録媒体や微小な光・電子部品などを
   実現できる可能性もあります。
   ・関連発明:特開2006-334741、特願2008-012050
        (最新発明情報をご覧ください)
   ・村田研究室 http://www.mrt.dis.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆「巨星」の惑星 10個発見 東工大など 比較的遠い軌道
      (中国新聞09/12夕刊、産経新聞9/22)
      グローバルエッジ研究院 佐藤文衛 特任助教
   
   佐藤助教らは、神戸大学、東海大学、国立天文台と共同で、質量が太陽の
   2~3倍で直径が太陽の約10倍に膨らんだ「巨星」と呼ばれる段階の恒星に
   着目して、約300個の巨星を対象に系外惑星を探してきました。その中でこ
   れまでに3つの系外惑星を発見していますが、今回新たに7つの惑星を発見
   することに成功しました。こうした惑星の発見によって、太陽より重い恒
   星は、もともと惑星ができにくいか、恒星に近い惑星が中心にのみ込まれ
   た可能性があることがわかってきました。
   ・佐藤研究室 http://www.global-edge.titech.ac.jp/faculty/sato/index_j.html
   ・内容詳細
    http://www.titech.ac.jp/tokyo-tech-in-the-news/j/archives/2008/09/1221523200.html
   
   ≫≫◆使用済み核燃料中のプルトニウムを核兵器に転用しにくくする技術
      (NHKニュース9/16)
      原子炉工学研究所 齊藤正樹 教授
   
   使用済み核燃料に含まれるプルトニウムは、再処理して取り出すと核兵器
   の原料への転用が可能となりますが、核燃料に特殊な放射性物質を加えて
   燃焼することで核兵器の原料になりにくいタイプのプルトニウムが大幅に
   増えることを実証しました。この技術を実用化することで、使用済み核燃
   料から取り出したプルトニウムで核兵器を作ることが難しくなり、国際原
   子力機関(IAEA)がこの技術に注目しています。これは、日本原子力研究
   開発機構との共同研究成果です。
   ・齋藤研究室 http://www.nr.titech.ac.jp/~msaitoh/
   
   ≫≫◆LSI中の不純物を高精度で分析(日経産業新聞9/17)
      総合理工学研究科 物理電子システム創造専攻 筒井一生 准教授
   
   シリコン基板表面から注入した半導体のホウ素やリンなどの不純物元素濃
   度を、10ppmのオーダーで深さ0.5nm毎に測定できる技術を開発しました。
   基板表面に軟エックス線照射して発生する電子線によって不純物濃度を決
   定します。その後、表面をオゾン酸化し、酸化膜を0.5nmエッチングして、
   再び軟エックス線を照射して不純物濃度を策定します。これを繰り返して
   いき、深さ方向の濃度分布を測定するものです。
   ・筒井研究室 http://www.tsutsui.ep.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆リチウムケイ酸鉄の結晶構造を解明(化学工業日報9/17)
      総合理工学研究科 物質電子化学専攻 山田淳夫 准教授
   
   リチウムケイ酸鉄は、安価、安全、しかも大容量の電池性能が得られる次
   世代のリチウムイオン電池の電極材料ですが、これまで結晶構造が不明で
   した。山田准教授らは、リチウムケイ酸鉄の結晶構造を解明し、構成元素
   の周期が長く、方向性を持って並んでいる特徴をもつことを明らかにしま
   した。これにより、リチウムケイ酸鉄の材料設計の最適化や電極としての
   機能の解明に弾みがつきます。
   ・山田研究室 http://www.echem.titech.ac.jp/~yamada/
   
   ≫≫◆微生物が作る伸びの大きなポリエステル(日経産業新聞9/18)
      総合理工学研究科 物質科学創造専攻 柘植丈治 講師
   
   土壌中にいるラルストニア属細菌に糖を与えて生分解性ポリエステルを合
   成する技術を改良し、3-ヒドロキシ-4-メチル吉草酸(3H4MV)を含むポリ
   エステルを生産することに成功しました。これまで、3-ヒドロキシ吉草酸
   (3HV)を含む生分解性ポリエステルの研究が盛んに行われてきましたが、
   3H4MVを含むポリエステルでは、この4倍の伸び、すなわち、石油から作る
   低密度ポリエチレンと同程度の伸びを実現でき、包装材料などでの実用化
   を目指すことができます。
   ・関連発明:特開2007-125004
   ・柘植研究室 http://www.iem.titech.ac.jp/tsuge/index.html
   
   ≫≫◆磁性・導電性制御可能なニッケルナノチューブを異方性導電フィル
      ムに適用(化学工業日報9/19)
      資源化学研究所 中川勝 准教授
   
   液晶ディスプレイなどの表示素子での駆動側出力端子と表示側入力端子と
   の接続にはテープ状の異方性導電フィルム(ACF)が使用されています。現
   在、導電性フィラーであるニッケル粉末や均一球形の金被覆高分子微粒子
   を熱硬化性高分子樹脂に分散したものがACFに使用されていますが、さらな
   る狭ピッチ化や狭接続面積に対応できる材料が求められています。中川准
   教授は、リサイクル可能な有機化合物を鋳型にして磁性導電性ニッケルチュ
   ーブを作成し、これをフルオレン系の光硬化性樹脂に分散したACFの開発に
   成功しました。対応できる電極間隔は10nm以上で、これは従来のACFのピッ
   チの4分の1以下です。
   ・関連発明:特許3533402、特開2008-021513、2006-156196、2005-264214、
         2004-083414
   
   ≫≫◆統合失調症の原因となる脳の箇所をマウスで特定(科学新聞9/19)
      生命理工学研究科 分子生命科学専攻 一瀬宏 教授
   
   藤田保健衛生大学宮川剛教授らとともに、統合失調症のモデルマウスを作
   製し、脳の記憶をつかさどる海馬・歯状回部分に未熟で未発達な部分があ
   ることを発見しました。これまでに、亡くなった統合失調症患者の海馬で
   は、この未成熟な海馬・歯状回と同様の状態が多くの見つかっていること
   から、人でもこの箇所が統合失調症の原因と考えられます。統合失調症は、
   人種や地域に関係なく総人口の約1%がかかるものの、発症メカニズムなど
   はほとんど分かっていません。これまで、診断は、精神症状や行動異常な
   どの主観的な方法で行われてきましたが、本研究成果から客観的診断方法
   が確立できることが期待されます。
   ・一瀬研究室 http://www.bh4.bio.titech.ac.jp/
   
   ≫≫◆クロアチア政府、モンテネグロ政府、MITと水中地雷処理ロボットの
      研究開発で連携(日刊工業新聞9/19)
      理工学研究科 機械宇宙システム専攻 広瀬茂男 教授
   
   広瀬教授らの地雷処理や水中移動ロボットの技術とMITのコンピューターサ
   イエンスを融合して、水中地雷処理ロボットの実機を開発し、クロアチア
   の地雷研究所やモンテネグロの水中地雷除去センターなどと一緒にバルカ
   ン半島で実証実験を行うプロジェクトが開始されます。水中では、地雷の
   探査やロボットの位置把握、移動が難しく、ダイバーによる地雷除去しか
   手段がないために危険性などが世界的に問題視されています。広瀬教授ら
   は、水陸両用のヘビ型ロボットや、地上の地雷除去ロボットを開発した実
   績を持っており、今回のプロジェクトにつながりました。
   ・関連発明:特開2006-160025
   ・広瀬研究室 http://www-robot.mes.titech.ac.jp/home.html
   
   ※本学教員の所属・肩書きは、2008年9月1日現在のものです。



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