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第7号(2005年3月)

皆様いかがお過ごしでしょうか。
いよいよ3月になりました。特に今月が決算月の皆様は、これからお忙しい時期に入ると思いますが、元気に乗り切りましょう。

3月号は、東工大のライフサイエンス分野のご紹介、AUTM(大学技術移転管理者協会)2005の参加報告、コーディネーターの経験した産学連携事例など、東工大の幅広い活動をご紹介しております。じっくりお読みいただければ幸いです。

さらにより良いものにするため、2005年も皆様のご意見・ご要望をお待ちしております。

お気軽に下記メールアドレスまでお寄せください。
mail@sangaku.titech.ac.jp

===== 目次 ===========================================================
【3月号巻頭言】 研究・産学連携本部 リエゾン・研究情報部門員 関谷哲雄
【本部の活動紹介】 AUTM2005参加報告
【産学連携活動のご紹介】 産学連携推進コーディネーター 金古次雄
【最新発明情報】 特許情報公開のご案内
【最近の研究成果】 2件の研究成果のご紹介
【東工大のイベント】 2件のイベントのご紹介
【LANDFALL】 4研究室のご紹介
【新聞掲載記事】 3件の東工大研究関連記事ご紹介
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=【3月号巻頭言】======================================================
「東工大のライフサイエンス分野」
研究・産学連携本部 リエゾン・研究情報部門員 関谷哲雄
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寒い日が続きましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。研究・産学連携本部リエゾン・研究情報部門の関谷です。

リエゾン・研究情報部門では組織的連携や、受託・共同研究など企業と大学をとり結ぶリエゾン活動や大学の知的財産を基にしたベンチャー発掘などを行っております。私は主に化学、バイオ、材料、環境の分野のリエゾン活動を担当しております。今回は、化学、バイオが関係する本学のライスサイエンス分野の話をしたいと思います。

私ども研究・産学連携本部の入っている建物は、通称ビタミン研(当初は「酵素化学研究施設」)と呼ばれ、本学の研究者によるビタミンB2合成の工業化による特許実施料により立てられたことは以前メルマガで紹介されています。この研究グループは、熊の胆の成分であるウルソデオキシコール酸の工業的製法の開発にも成功し今もある製薬会社の欠かせない製品になっています。酵素化学研究施設はその後、研究部門を増やし天然物化学研究施設を経て、生命理学科となりました。さらに化学工学、高分子化学に起源を持つ生物工学科と合流、改組を経て平成2年に全国初の生命理工学部となっています。その後も拡大重点化を経て現在、 大学院生命理工学研究科として5専攻で教授、助教授約60名を擁する研究科に発展しています。

生命理工学研究科は、平成14年にライフサイエンス分野の21世紀COE拠点として、COEプログラム「生命工学フロンティアシステム」が採択され研究活動を高く評価されています。また、研究科独自に「国際バイオフォーラム」を組織し、バイオリピット、バイオ計測、比較ゲノム、環境バイオ、再生医工学、ケムバイオ、分子神経科学などの分野で海外有力大学と連携し、同時に民間企業との交流を深め、ライフサイエンス分野の発展に力をいれています。本研究科の知的財産を活用したベンチャーも既に4社創設され発展しています。

本学のライフサイエンス分野は産学連携の成功を歴史の原点にもち、基礎から応用まで研究活動は高く評価されております。本学のライフサイエンス分野との連携に一度ビタミン研に足を運んでみてはいかがでしょうか。歓迎いたします。
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= 【本部の活動紹介】 =================================================
「AUTM(大学技術移転管理者協会)2005に参加して」
産学連携推進コーディネーター 伊藤 春雄
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去る2/1より2/11までアリゾナ州フェニックスで開催されたAUTM ※1(The Association of University Technology Managers) 2005(2/3~2/5)に研究・産学連携本部の4名とともに参加させて頂きました。また、この前後にアリゾナ州立大、カリフォルニア工科大、スタンフォード大のTLO、知的財産関係部署を訪問し、現場責任者に直接ヒヤリングを行いました。

AUTMはその性格上、世界各国の知的財産、技術移転に従事する人たちが一堂に会し、現場の生の声を聴ける場です。今回の渡米では若手コーディネーターの一人として他国の機関、とりわけ米国内の知財の現場に対して、自分なりに、いくつかの問題意識を持って臨みました。具体的には、― 産学連携という観点から(1)大学における知的財産の扱われ方(2)知的財産における官民主導の差異(3)知的財産に従事する若手に求められるものと人材教育― についてです。

上記の点につき、東工大との比較について、数値で示すべき規模や制度の相違を認識し、そこから学ぶものも少なくはないでしょうが、本稿では大学に属する一人の知財に従事する者として、感じるままに捉えた点を記させて頂きます。

各大学でのヒヤリングで一番感じたことは、大学における産学連携における知的財産の占める位置付けは、大学の機能全体の中のほんの一部であると認識されていることでした。訪問した3大学ともに、「大学に真に求められるものは何か」という点につき、実に冷静に、また、厳しく自問自答を繰返している姿勢が窺えました。特に、大学は研究、教育の場であると同時に、あくまで地域社会の中にあり、共存してゆくものであるという認識が明確に感じられ、実際、学内には学生、教員以外に地域のさまざまな職種の「市民」が多数闊歩し、学内学外の敷居が感じられず、他の企業や機関と同じく、その町の中に欠かせない「大学」という名の一つのコミュ二ケーションの場が提供されているようでした。

学内の教官からも、オープンハウス等地域に知の窓を開き、交流、貢献することは当然の職務と認識され、「地域へ大いに努力しています」と明言していたのが印象的でした。産学連携、技術移転の前に地域との連携、地域の暮らしに根づいた文化移転を日々、特別なものではなく、自然に行う努力をしている点が、官主導の上からではない、地に足のついた知的財産への取組みの要因と考えました。

このような知的財産を取巻く「雰囲気」の中で、産学連携の場で従事する若手に求められているものは何か ― それは専門的知識や特異な経験ではなく、教員、企業の方、そして地域の方々とのコミュ二ケーション、とりわけ「聴く」姿勢と実感しました。この点を、私自身が担当している企業との案件や大田区との連携等、自らの現場に生かしてこそ今回の渡米の真の収穫があると考えています。

※1AUTM:Association of University Technology Managers(大学技術移転管理者協会)
世界中の大学・非営利研究機関、および大学付属病院などで研究活動による成果である知的財産を取得・管理している非営利協会のこと。35カ国、約3200名の専門家で構成されている。毎年春に年一回の総会が開催されるほか、種々の統計調査(AUTM Licensing Survey)、ニュースレターの発行、レベルごとのトレーニングコース(初心者向け、Executive Forum, Graduate Course)、東部、中部、西部、カナダ地区などの地区ミーティングなど多彩な活動を行っている。
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= 【産学連携活動のご紹介】============================================
「コーディネーターの産学連携活動」
産学連携推進コーディネーター 金古次雄
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産学連携推進コーディネーターの金古です。私は、総合化学会社を定年退職した後、東工大TLO設立より、東工大の産学連携に関っています。会社時代は、中央研究所、工場にある開発研究所、本社、支店と色々な立場で研究開発に関ってきましたので大学に来られる企業の方々のニーズに応えられると思っております。

私は化学、材料分野を担当していますが、今回は、私が担当している研究プロジェクトを例に、コーディネーターが産学連携活動にどの様に関っているか、その一端を紹介したいと思います。

ユビキタス社会に向けて電子部品の小型化と共に、コンデンサ等の受動素子を基板内に高密度に実装する技術が求められています。4年ほど前、これに対応するため高誘電特性を持ったコンポジット材料開発の機運が社会的に高まったことがあります。東工大TLOもこの社会的ニーズに対応すべく研究チームを作り、企業に提案することを考えました。そこで電機・通信分野のコーディネーターの協力を得て、東工大の先生の中から誘電材料の無機、高分子、電気回路、シミュレーションの4人の先生を集め研究チームを作りました。これらの先生方は互いに全く面識がない先生方でした。技術の完成には複数の技術分野の連携が必要になりますが、このように領域を越えた研究者を連携させることもコーディネーターが得意とするところです。

この研究チームに大手電機メーカーが乗り、大学発事業創出実用化研究開発事業として企業が年間2,000万円、NEDOが年間4,000万円を拠出し3年間のプロジェクトとして実施しました。本年3月に終了しますが、誘電率は100以上を達成し、コンポジット系誘電材料では世界最高の値を達成しています。

今までの活動を通して東工大には企業の要望に応える能力があると確信しています。どうか企業の研究戦略の一端に東工大との産学連携を加えて下さい。我々産学連携推進コーディネーターがお手伝いします。
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=【最新発明情報】================================================
「特許情報公開のご案内」
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技術シーズの宝庫である東工大の特許情報を、研究・産学連携本部(OIL)HPの「最新発明情報」に掲載しています。ここでは未公開特許を含め、順次新情報も掲載しておりますので、是非皆様の商品開発にご活用ください。今月は未公開特許情報が5件増えました。

詳細はこちらをご覧ください。
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= 【最近の研究成果】 ====================================================
◆「次世代リチウムイオン電池用材料の結晶構造とリチウムイオンの伝導経路を解明」
◆「濃度5百万分の1のヒ素の除去メカニズムを放射光X線で観る」        
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◆「次世代リチウムイオン電池用材料の結晶構造とリチウムイオンの伝導経路を解明」

本学大学院総合理工学研究科の八島正知助教授と本学応用セラミックス研究所の伊藤満教授,学習院大学理学部の稲熊宜之教授,日本原子力研究所中性子利用研究センターの森井幸生次長らは共同で,次世代のリチウムイオン電池をねらって研究されている材料「リチウムを添加したランタン・チタン酸塩(La0.62Li0.16TiO3)」の結晶構造を解明しました。

本研究成果は,米国化学会が出版している国際的な学術誌『Journal of theAmerican Chemical Society』に,「Crystal Structure and Diffusion Path in the Fast Lithium-Ion Conductor La0.62Li0.16TiO3」の表題で2005年2月に掲載されています。

⇒詳細はこちらをご覧ください。


◆「濃度5百万分の1のヒ素の除去メカニズムを放射光X線で観る」

本学大学院総合理工学研究科の泉康雄講師らの研究グループは、低濃度ヒ素吸着除去用に、1メートルの20億分の1のサイズのオキシ水酸化鉄ナノ粒子を制御調製しました。この吸着剤を用いて、濃度5百万分の1の亜ヒ酸試験水溶液からヒ素(III価)が捕捉される様子を蛍光分光X線吸収微細構造法で観ると、As(III)(OH)3 + FeO(OH) -As(V)(OH)2O2Fe、の反応式に従う酸化的錯形成が認められました。

本研究成果は米国化学会・物理化学誌パートB,3月10日号(9号)に掲載される予定です。

⇒詳細はこちらをご覧ください。
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= 【東工大のイベント】 ===================================================
◆東工大国際バイオフォーラムシンポジウム「分子神経科学」        
◆第17回応用セラミックス研究所セミナー「耐衝撃材料研究の現状と新展開」
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◆東工大国際バイオフォーラムシンポジウム「分子神経科学」

日時:平成17年3月4日(金) 9:30~18:00
場所:すずかけ台キャンパス バイオ研究基盤支援総合センター4階講習室

巻頭言でも触れられておりました、国際バイオフォーラムのシンポジウムのご紹介です。今回は本年度より新たに国際バイオフォーラムの一つに加わりました「分子神経科学」についてご紹介します。

⇒詳細はこちらをご覧ください。


◆第17回応用セラミックス研究所セミナー「耐衝撃材料研究の現状と新展開」

日付:平成17年3月7日(月) 11:00~17:30
場所:すずかけ台キャンパス すずかけホール2F 集会室第1

外部講師よる6件の講演を行います。見学会および懇親会参加ご希望の方は、それぞれ事前にお知らせください。

問い合わせ先:045-924-5342、近藤健一まで。

⇒詳細はこちらをご覧ください
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= 【LANDFALL】 ================================================
「東工大研究室のご紹介」
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学生向けの研究室紹介冊子「LANDFALL」の最新号が1月に発行され、2月からホームページ上で閲覧できます。学生が編集作業を行っており、年に3回発行されます。ここから共同研究のヒントをみつけていただければ幸いです。

2005年1月号では4つの研究室が紹介されています。

「配線に見る集積回路の可能性」 電子物理工学専攻 杉浦 修研究室
「夢を包む分子マイクロリアクター」 化学環境学専攻 中野義夫研究室
「暮らしを支える橋を目指して」 土木工学専攻 川島一彦研究室
「新たに拓く機械の地平」 機械物理工学専攻 杉本・武田研究室

⇒詳細はこちらをご覧ください。
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=【新聞掲載記事】=====================================================
「東工大研究関連記事ご紹介」
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最近新聞報道された東工大の研究について3件ご紹介します。

「腹腔鏡手術用~患部の感触、伝わる鉗子 東工大、遠隔操作システム~」
精密工学研究所 高機能化システム部門 川嶋健嗣助教授(日経産業新聞2/10)

「リチウムイオンの伝導経路・空間分布~東工大など可視化~」
大学院総合理工学研究科 材料物理科学専攻 八島正知助教授(日刊工業新聞2/17)

「骨並みの柔軟性~東工大、骨折治療器具に~」

大学院総合理工学研究科 物質科学創造専攻 細田秀樹助教授(日経産業新聞3/1)
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