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FAQ

学生が発明等に関係する場合の扱い

産学連携推進本部によせられる、よくある質問と答えをまとめました。

学生が発明等に関係する場合の扱い

Q1.学生(留学生を含む)の発明は必ず大学に権利を譲渡するという規定は設けられないのですか?あるいは、学生は大学の研究資金や設備を使用するので、入学時に学生の発明は必ず大学に権利を譲渡するという契約はできないのですか?
A1.雇用関係にある従業員や研究にかかる契約関係にあるポスドク等と比較して、教育を受けるために在籍している学生の扱いは異ならざるを得ないと考えられます。入学時の契約や義務付けは今後の検討課題ですが、教育との関係を踏まえた全学的な検討が必要となると考えます。
Q2.産業上有用な研究の場合は、学生に守秘義務を課すべきだと考えます。このため、学生と教員との間で守秘義務契約を交わしてもよいということを全学的な規則で明文化することは可能ですか?就職面接で企業に研究室での研究について細かな話を聞かれるので、この面でも学生の守秘義務が必要ではないですか?
A2.
  • 特定のプロジェクトに学生が雇用等されて関与する場合、その雇用契約や研究契約等で守秘義務を課すこととします。
  • 上記以外の場合について、全学一律に学生に守秘義務を課すことは難しいと思われるので、それぞれの研究室における対応とします。
  • それぞれの研究室において、学生を研究室に受け入れる時点で、学生に対して守秘義務を課す契約を交わしてよいことを全学的に認め,各研究室において守秘義務を義務付けるにあたっては、研究室の運営責任を持つ教員と学生が交わす契約の参考例(各研究室における研究成果に係る情報管理要項)PDFを本部で作成しました。本参考例のWord®版及び英文版が必要な方は、産学連携推進本部にお問合せください。
Q3.学生がすべて自らの発明またはアイデアだと思っていても、指導教員や研究室のアイディアが入っている場合があり、これが学生個人のものとして特許出願されることは問題であると考えます。学生の独自出願をチェックすべきではないでしょうか?
A3.
  • 研究室に所属した学生が研究テーマに関する特許出願する場合は、指導教員や研究室として秘密にしておきたいアイディアが入っている可能性があるので、あらかじめ所属研究室の教員に届け出る義務を、それぞれの研究室において学生と研究室の運営責任を持つ教員が契約を交わすことにより課すこととし、このための雛形を本部で作成しました。(Q2参照)
  • 研究テーマに関する特許出願の多くは、教員と学生との共同の発明になると考えられ、その場合、教員は産学連携推進本部に発明届出書を提出する必要があります。
(注)発明とは技術的思想の創作であり、創作自体に関係しない者、例えば単なる管理者・補助者または後援者などを発明者に含める必要はありません。これは学生の場合についても同様です。
Q4.学生が発明の機関帰属を望まない場合はどうなるのですか?
A4.学生と相談になりますが、持分割合で経費を学生に負担してもらうことを前提に、大学と学生との共同出願となります。
Q5.学生が共同発明者になっている発明について、この内容の一部を卒業論文発表会、または修士論文・博士論文発表会で公表する予定がありますが、特許・出願について注意する点はありますか?
A5.
  • 論文等の発表会において、研究成果を公知にしてしまうと、一般的には新規性を 喪失し、特許を取得することができなくなります(特許法第29条)。
  • しかし、特許出願前に研究成果を論文発表会や研究会等で発表する場合であっても、新規性の喪失を防ぐ方法がないわけではありません。
  • 発表会については、発表会の参加者に対して、当該研究成果に関する情報を秘密にすることに同意していただくことで新規性の喪失を防ぐことができます。守秘義務を課すためには、発表者の指導教員が特許出願期日を定めたうえで、発表会当日または前日までに、発表会出席者に、発表内容のうち発明にあたる範囲とその部分を特許出願期日まで秘密にする必要性を明確に説明して、全員に研究発表会の内容の秘密保持を約束していただく書類を閲覧し、署名していただきます。特許審査時には、この署名された紙をもって、当該発表会では発明の当該範囲に守秘義務が課せられていたことを証明します。>>秘密保持誓約書の例PDF
  • ただし、出席する全ての方が発表内容を秘密にすることに自主的に同意してくれる場合に限られることに注意してください。博士論文発表会は公聴会と扱われますので、出席者に同意を強制することはできません。卒業論文及び修士論文の発表会についても、学科や専攻で公聴会と位置付けていれば、同様です。
  • さらに、発表内容に守秘義務を課すだけでなく、発表会の配布資料については発表会終了後に回収する等して、第三者に公知とならないような手段を講じる必要があります。
  • また、新規性の喪失を防ぐには、卒業論文、修士論文及び博士論文の論文自体にも守秘義務を課す必要があります。そのためには、論文主査・副査の教員に、論文のうち発明にあたる範囲とその部分を特許出願期日まで秘密にする必要性を明確に説明して、合意をいただきます。守秘義務を課したエビデンスとして、一筆書いていただくことも必要かもしれません。論文を複数印刷して配布する際には、配布日を特許出願日以降とし、その日付を論文の奥付や表紙裏に記す必要があります。
  • なお、日本特許法は新規性喪失の例外を規定しており(特許法第30条)、権利者の行為に起因して公開された発明の公開日から6ヶ月以内に、発表会の名称や日時を記載して特許出願を行えば、その発明は新規性を失わなかったとみなされます。ただし、発明の公表後は、本人の出願前に他人の出願があった場合には本人も他人も特許が取得できませんし、日本と同様の例外規定がない国では特許取得が困難となります。このため、新規性喪失の例外規定を適用して出願する事態は避けることがのぞましいです。
  • 以上のとおり、出願前の発表会で新規性の喪失を防ぐにはたいへんな手間がかかり、特許法30条の例外を適用する場合にも制約がありますので、研究成果を公表する前に特許出願を済ませておくことが肝心です。そのため、出願手続きに要する期間を含めて、できれば研究成果を発表する2ヶ月前まで、又は遅くとも1ヶ月半前までには発明届を提出してくださるようお願いいたします。

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