挑戦的研究賞

平成30年度 挑戦的研究賞 受賞者のご紹介

超スマート社会に適応する革新的超高効率ベアリングレスモータの研究
工学院 電気電子系 杉元 紘也

図1に、2050年の社会的背景とモビリティ用モータへの要求を示す。エネルギー・環境イノベーション戦略では、温室効果ガス排出量を2050年までに半減させるため、次世代パワエレを有望分野に特定し、電力損失の大幅削減と新たなシステムの創造が期待されている。本研究は、革新的モビリティ用モータ駆動システムの開拓を行い、パワエレだけでなく、モータやモビリティとして、システム全体の電力損失の大幅削減を狙っている。実際に、2050年のモビリティは、電動化が進み、HEV、PHEV、EV、FCVの割合が増加するだけでなく、一人乗りや二人乗りの超小型パーソナルモビリティ、あるいは電動スカイカーなどが出現し始めることが予測されている。したがって、モビリティには、小型・軽量化、高出力化、省エネルギー化が要求されるため、モータを超高速化・超高出力化・超高効率化する必要がある。

本研究では、2050年までに現状の自動車用モータの性能を1桁向上することを目標としている。従来技術では、モータを高速化すると、機械的ベアリングで発生する機械損が著しく増加するため、高速化と高効率化はトレードオフの関係にあり、同時に向上することは不可能であった。一方、ベアリングレスモータの技術を用いることで、回転軸は非接触となり、高速化と高効率を同時に実現することが可能であることが申請者のこれまでの研究により、実験的に明らかになっている。

図
図1:2050年の社会的背景とモビリティ用モータへの要求

図2に現状のベアリング付きモータとベアリングレスモータの構成の比較を示す。ベアリングレスモータは、機械的接触がないため損失が小さく、速度が上がるにつれて、ベアリングレスモータの優位性が顕著になる。本研究では、2050年の目標達成を目指して、超高速、超高出力、超高効率な革新的ベアリングレスモータの実現に挑戦する。

図(a) ベアリング付きモータ
図(b) ベアリングレスモータ

図2:ベアリング付きモータとベアリングレスモータの構成の比較